特に若い方に多いのですが、何でもかんでも出来ると思い込みすぎてしまっている気がします。
なんでも「すぐ」に「簡単」に出来ると思い込みすぎている。そしてすぐに「結果」が出ると思い込みすぎている。
これはさまざまな「番組」や「広告」の弊害だと思っているのですが、本来、すぐに「結果」が出たり、簡単に「結果」が出るわけありません。
確かに「すぐ」に「簡単」に出来る方法や「すぐ」に「簡単」に「結果」を出せるもあるし、「すぐ」に「簡単」に「結果」がついてくるケースもあります。
ただそれは、それまでに過去蓄積されたものがあることを前提に、もしくは時流（タイミング）に乗ったこと、この条件があるケースのみ通用します。
それか天才か。そのどちらかです。
成功するには遠回りをすることも必要
ほとんどの場合は、すぐに「結果」が出るわけはないし、「地道な努力」が必要になります。
一流と呼ばれるまでに成長するには、時に遠回りをする必要もあるし多くの「無駄」を経験する必要があります。
無駄なことをたくさん経験し、その中で自分の経験として落とし込み、長い時間をかけて努力を積み重ね「力」としていくのです。
元メジャーリーガーのイチロー選手も過去のインタビューで「無駄なことはできるだけやったほうがいい」と言い切っていますし、なぜ無駄が必要なのかと問われた際に「無駄を経験しないと合理的になれない」と答えています。
そのインタビューでは、つづけてこうもいっています。
「頭で理解しているだけのケースって今、多いと思うんですけど、それは危険だと思います」
ボクも同じような感想を持ちます。
無駄なことを経験しないと合理的になれない
側から見れば、あの合理性の塊だと思えるイチロー選手でさえ、合理的になるために・・・語弊を恐れずに言えば「無駄」な「努力」や「経験」をたくさんしてきた。
そしてたくさんの「無駄」なことを経験してきたからこそ、結果として「合理的」な考え方に落ち着いたと言っているのです。
ボク自身の、過去の経験を振り返ってみても確かにそうかもしれないと思うところがたくさんありますし、「無駄」を経験してきたからこそ見えるもの、たどり着けた世界というものが確かにあるなと感じます。
経験の上に技術を蓄積し研鑽を積まないと深みが生まれない
また、今の時代はさまざまなものが発達していて、情報もたくさんある。だから下手したら「最短、最速で技術的な部分でいける可能性がありませんか（上達するスピードが速くなり、より技術の向上につながりませんか）？」という問いに対しては即答で「無理だと思います」と語っています。
その理由について次のように応えています。
「失敗をしないでたどり着いたところと、全くミスなしで、間違いなしでたどり着いたとしてもそこに深みは生まれない、遠回りすることってすごく大事ですよ、遠回りすることが一番の近道だと思う」
そのように言っています。イチロー選手は一般的には才能の塊で天才と思われていますが、このインタビューを聞いた時、イチロー選手は、もちろん天才であるかもしれないけど、正真正銘「努力」で成り上がった人なんだなと思いました。
恐れ多くもイチロー選手に対して敬意を表すると同時に、同じような匂いを感じたんです。
そもそも、プロの世界への入り口はドラフト４位ですしね（笑）1位でもない、2位でもない、ましてや3位でもなく4位。結果がそれを物語っていると思います。
ビジネスの現場で成功するために必要なこと
この考え方はビジネスでも同じです。
もしも「すぐ」に「簡単」に結果が出る方法があるのだとしたら、世の中ここまでこじれていません。
ルールは簡単です。
野球で例えれば、ピッチャーが投げた球をバッターが打って、ホームベースにまでかえってきたら点数が入る。とてもシンプルです。
これをビジネスに例えれば、商品やサービスを開発して、お客様に届けてお金をいただき、いただいたお金を研究開発費に回してより多くの人に良いサービスを提供できるようにする。
これだけです。とてもシンプル。
けれども、ビジネスモデル（お金の流れ）はシンプルだけれども、それを回し続けるのは簡単なことではありません。
維持をするためには、絶え間ない努力が必要になるし、時代を読み解く力が必要になるし、求められているものを知る必要があったりと、自分自身を時代に合わせていく必要もあります。
天才と呼ばれる人たちは、それを感覚的に察知したり理解していて、自分が時代に合わせるのではなく、自然と時代に合致する、そんな関わり方をされていることが多いです。
だから頭で考えなくても「スッ」と時代に溶け込んでいき、時代が求めるプロダクト（商品やサービスまたは情報）を作り出し届けることができます。
再現性が高い方法はすぐに真似される
「すぐ」に「結果」が出る方法というのは「簡単」であるということでもあり、「簡単」であるということは「誰にでもできる」ということです。
巷では「再現性が高い」などと濁されているわけですが、そもそも「再現性が高い方法」というのは、実はあまり良くありません。
再現性が高いということをポジティブに受け取っておられる方が多いことに驚きますが、再現性が高いというのはネガティブなものなんです。
なぜなら「再現性が高い」ものは真似されたらおしまいであり、参入者が増えて来れば、パイの取り合いになってしまい、通用しなくなってしまうからです。
オリジナリティーとは程遠い方法なのです。
これから取り組もうとしているあなたへ
これからビジネスの世界に飛び込んでくる方は、この辺りのことを、早い段階で理解しておく必要があります。
そうじゃないと、現代はさまざまな情報が飛び交っていますから、「楽に」「すぐに」「簡単に」そんな情報を信じてしまい、気がつけば借金だらけになってしまい、身動きができなくなってしまった・・・そんな状態になりかねません。
実際「自己投資」という言葉にかこつけてそうなってしまった方はたくさんいらっしゃいます。
そうならないためにも・・・
どうか、良い「師」と巡り合ってください。
いいえ、「師」という言葉はやめましょう。
「師」という言葉はボクは好きではありませんが、「いい人」に巡り合ってください。
誰に教わるかで、まるで変わってきます。
ビジネスでもなんでもそうですが、入り口として、どのような方に教わるのか？教わる人の影響を受けやすいですから、この世界を生き抜いていきたいのであれば、どうか心から信頼できる人に教わってください。
そう・・・切に願っています。
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